雑草わんだほー

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モーショングラフィックス的な小説を書いてみたい

最近、映像――この記事ではモーショングラフィックス的な意味合い――だとすっと表現できるのに文章でやろうとするとなかなか手こずる物語描写って、結構あるんだなぁと感じています。もともと私は、テキストありきな発想をして物語を創っていると思ってたのですが、少し映像脳になったのかもしれません。
それで、どういう物語描写に難点を感じるかというと。映像だと例えば、背景レイヤーにテキストレイヤーをオーバーレイ、みたいな表現ですね。この場合、情景描写に抽象的な世界観を重ねて一遍に表現したいわけなのですが、文章にしようとするとなかなか難しいなと感じることがあります。
そこらへんの差異を特に感じるのは、映像でいうところのトランジションです。音楽のリズムに同期させて、レイヤーやオブジェなんかを幾分か残しておけば、強引なカット切り替えもわりと繋がったりするものですが、文章だとそうもいかなかったりします。というのは小説の場合、読書リズムもキャラクター描写も、同じ一つのリニアな文章でコントロールしなくてはならない。映像だと、音楽とか構図とか動きとか明確に要素分解できるものを、小説は一緒くたに処理しなくてはならないんですね。
やはり映像は、聴覚と視覚に訴えられるわけですから、瞬間的な感覚に訴えるところは滅法強い。当然、そういう利点がある分だけコスト高なわけですが、小説を書いていると時に羨ましくなることがあります。
もちろん、小説ならではの物語描写というのも沢山ありますし、ようは作品ごとに適切なメディアを選択していければいいよね、という話ではあるのですが。できることなら、選択したメディアの特性を生かしつつ、他ジャンルの利点も取り込めたらなぁ、なんて思う次第です。