雑草わんだほー

That's so wonderful♪

想い出の美化としてのアレンジ

ゲーム曲のアレンジが大好きです。公式/同人/ネット問わず。
これまで一番聴いたのはWAVEの『AVALON』でしょうか。今は『クリスマス・コレクションズ music from SQUARE ENIX』がマイブームです。
これらのアレンジを聴くとき私は音楽的な本質以外にも色々と読みとっているようで、だから幾重にも絡まった文脈に酔いしれるわけなのですけれど。それはどういうことなのかなと考えてみたところ、あぁこれは想い出の美化なのだなと思い当たりました。


もともとプレイしたことのあるゲーム曲というのは感慨深いもので、それはプレイ体験の想い出がそこに封じこめられているからです。恋人と一緒に通ったカフェでよく流れていた曲は特別、なんていうのと同じですね。これはもちろんアニメ/ドラマ/映画などの劇伴についても同じで、音楽には物語を閉じこめる力があります。
そして往々にして私は、原曲よりもアレンジを気に入ってしまって。体験と直接結びついているのは原曲のはずなのに、アレンジの方が輝いているように感じられて。なぜなら記憶の定着とともに美化されていく想い出を反映しているのは、アレンジの方だからなのですよね。さらに云うならば、そこに込められているのは私自身ではなくアレンジャーによる美化ですから、他人の物語解釈に触れることができるということで、それは物語世界を豊かにする行為です。
ですので作り手からすれば、うまくアレンジを提供していくことで受け手の想い出に干渉できる、すなわち過去作のブランディングに繋がりそうで、そういうことを『Love SQ』を始めとするSQ MUSICシリーズはやろうとしているのかなとか考えました。